よく運動前後にはストレッチをやった方が良いと言われますが、やっぱり必要ですか?
出来れば前後のどちらかだけで行いたいです。いつやるのが効率的なのか教えてほしいです。
もし、ストレッチを行う目的が柔軟性のアップであったり疲労からの回復であるなら運動後が正しいです。
しかし目的によりストレッチを行うタイミング、目的、方法は変わります。例えば運動前の準備体操として行う場合と運動後のリラックスを目的に行う場合などです。
よって、いつどのように行うのが良いのか?という質問に対しては次の表が正しくなります。
タイミング | 目的 | 方法 |
---|---|---|
運動前 | 筋収縮スイッチを入れる | 動きながら関節を徐々に大きく動かす(ダイナミックストレッチ) |
運動中 | 筋肉への血流量を増やす | 動きながら筋肉を伸ばす(ダイナミックストレッチ) |
運動後 | 筋肉の弛緩、柔軟性アップ | リラックスしながらじっくり行う(スタティックストレッチ) |
これらの事をキャリア23年トレーナーのフラッシュパパが一般のフィットネス初心者に向けて詳しく説明していきます。
もしストレッチの事をしっかり理解しておきたいなら最後まで読んでみてください。一通りの基本はわかるはずです。
柔軟性を上げるための他記事です。合わせてご覧ください。
ストレッチの種類
ストレッチの種類は沢山ありますが代表的なものを3つ紹介します。
各ストレッチでは無音動画で特徴を分かりやすくしています。また表でそれぞれのメリット・デメリットを紹介しています。
あまり学術的になり過ぎないように出来るだけわかりやすい内容で述べていきます。
ゆっくり伸ばすストレッチ【スタティックストレッチ】
筋肉を伸ばした状態で保持する方法です。柔軟性の向上に効果的です。一つの部位につき20秒ほど行えば有効となります。
スタティックストレッチ | 運動前 | 運動中 | 運動後 |
---|---|---|---|
お勧めタイミング | ✖ | △ | ◎ |
普段から運動に慣れ親しんでいる人にとってはいつもやっている方法ではないでしょうか。
ただ問題が指摘されて20年以上経つにも関わらずフィットネスクラブを中心とした運動現場では運動前に推奨されていることが多いです。時間の無駄なだけでなく害がありますので注意です。
弾みを入れるストレッチ【バリスティックストレッチ】
最も一般的に浸透している方法ですが残念ながら様々な場面において有用ではないという実験データが多くなっています。
バリスティックストレッチ | 運動前 | 運動中 | 運動後 |
---|---|---|---|
お勧めタイミング | △ | △ | ✖ |
運動現場で見ていてもこの方法で行っている人は柔軟性を得るよりも筋肉や関節を痛めてしまう事の方が多いです。
特に運動不足の人が行えば硬くなっている筋肉に過度な伸びが生まれるためオススメは出来ません。
ただし伸ばしすぎなければ筋肉に適度な刺激がはいりますので次に説明するダイナミックストレッチと合わせて行えば有効と言えます。
動きながら行うストレッチ【ダイナミックストレッチ】
バリスティックストレッチに似ていますが動きをコントロールしているため伸張反射を起こさないという点で違いがあります。
筋肉の温度を上げながら行うため本格的に動く前の準備体操として最も適しています。
ダイナミックストレッチ | 運動前 | 運動中 | 運動後 |
---|---|---|---|
お勧めタイミング | ◎ | ◎ | 〇 |
理屈を知らなければバリスティックストレッチとの違いが分かりません。
フィットネスクラブで提供されていているエアロビクスにはダイナミックストレッチが適切なタイミングで入っているので是非受けてみてください。
ストレッチをやってくれるパーソナルジムです。感覚的にはマッサージのような感じでストレッチを受けることになります。
他人にやってもらうストレッチはとても気持ちいいですよ。
バリスティックストレッチとダイナミックストレッチの違い
やっている事だけを見ると違いが分からないものですが、理屈から考えるとよく分かります。次のように考えてみて下さい。
- バリスティックストレッチは伸ばしたい筋肉に注目している
- ダイナミックストレッチは筋肉を動かく事によって反対側の筋肉(拮抗筋という)を伸ばしている
例えば次のような動きでは特定の筋肉を収縮させることにより反対側についている筋肉を伸ばすことに繋がります。
- お腹の筋肉を収縮させる
- すると反対側の腰は伸びる
- 収縮と伸長は逆の関係にあるため特定の筋を縮めると反対についている筋は伸びる
つまりダイナミックストレッチの場合は伸ばすことよりも筋肉を使うことに意識を持って行きます。結果的に拮抗筋は伸びるので伸張反射を起こすことなく自然に関節可動域を大きくすることが出来ます。