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痩せる方法

人類はなぜ肥満と戦わなくてはならなくなったのか?歴史からひも解く!

何で人は太るんですか?

簡単に痩せる方法って言われているものはいっぱいあるけど本当に痩せますか?

本来体脂肪を貯めこむ能力は生きていくためには絶対に必要な能力です
しかし飽食の時代においては上手くコントロールしなければ健康を害するようになってしまいました。
ここに至るまでの歴史を知らなければ様々なダイエット法は効果が出るかどうかよりも害になることもあります。

一、二世紀ほど前までは一部の富裕層を除き人々は肥満とは無縁の生活を何万年も過ごしてきました。

この100年間にいったい何があったのか?
何が生活を変え身体を変えてしまったのか?

考古学的に考察してみます。

人類はなぜ肥満と戦わなくてはならないのか?歴史からひも解く!

【人類の壮大なる昔話】

人類の祖先は約400万年前に誕生して以来ほんの60年前までは飢餓との戦いでした。

これは人類の長い歴史を1年で例えるとたった8分前の事に等しくなります。

人類誕生からの時系列

つい先ほどまでは、その日飲み食いするものを確保するためにサバンナやジャングルを駆け回り、野良作業に明け暮れていた訳です。

最近になってからも『おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に』という言葉通り、死ぬまで定年なしの動きっぱなし生活が続きました。

そこでは生活=運動でした。次に食べられる時が来るまで、今日摂ったものを脂肪として体に蓄えることが出来る能力(太りやすい体質)に長けている者が生き延びられるという、フィットネスクラブなどクソ食らえの時代だったのです。

また、人間の体はそのような能力(体脂肪を蓄える能力)をより強くするために進化してきました。

そのような生活の中で生を脅かすモノは、争いによるケガと風邪などの感染症でした。

人間の心臓や脳が限界まで使われる前にほとんどの人々は亡くなってしまったのです。

人間にとって『死』とは、現在よりもはるかに日常的に感じられる身近なものだったはずです。

人間の体は数万年に及ぶ単位で、生活に適した運動能力と、食事を消化する内臓を獲得してきたのです。

ところが、つい先ほど今までの生活が一変する大事件が起こったのです!

産業革命が生活を変えた!そして生活習慣病が生まれた

人類は様々な道具を発明し学問と文化を発達させました。そして18世紀ごろ様々な文明が一定の臨海線を超えることにより産業革命が起こります。

なんだか中学の歴史の授業みたいになってきましたがまあ考えてみましょう。

それ以前の人々の生活はその日その日の食糧を得るために、常に死と隣り合わせの過酷な労働を強いられてきました。

そして人々の体は獲得できた食物を効率よく消化することのできる内臓と、エネルギーを使いすぎない筋肉を、数万年かけて作り上げました。

体に入れるエネルギー(食事)と出ていくエネルギー(運動)ではほとんどの人の場合、圧倒的に出ていくエネルギーの方が多い訳です。当然栄養失調です。だから身体はエネルギーを貯めこむ方向(脂肪を蓄える方向)に進化していきます。

ところが産業革命を境にして、今まですべてを足と手と頭を使って行っていた作業がどんどん簡略化されていき人々の運動量は一気に減っていきました。

身近な所では、川に洗濯→洗濯機、ほうきと塵取り→掃除機、最たるところは移動手段でしょう。

昔であれば東京―大阪間は全てを含め10万キロカロリー位使って移動していたのに対し、今なら新幹線でも飛行機で寝ていても着いてしまいます。

人々は動かなくてもよくなったのです。

一方では、世の中のオートメーション化が進み全てが大量生産、大量消費の時代がやってきます。

長い年月をかけて進化させた内臓をあざ笑うかのごとく、突然高カロリーの食物が詰め込まれ始めました。

数万年変わることのなかった食事バランスの変化が突然起こったのです。

結果、人類の長い長い飢餓との戦いに終止符が打たれることになりました(先進国のみですが・・・)。

こうして過酷な労働と飢えから解放された人類の寿命はこの100年間で飛躍的に伸びていきます。

だがそれは人類の新たな脅威との戦いの始まりにしか過ぎませんでした。

物欲と情報の洪水が生まれ遺伝子をコントロールする

ドッグイヤーという言葉を聞いた事がありますか?

1990年代によく使われた言葉なのですが、犬の1年の成長は人間の7年に相当します。当時の変化の速さが犬の成長並みに速いという意味です。

さらに2000年以降は犬どころか人間より18倍速いマウスイヤーとも言われました。

2020年の今、マウスイヤーという言葉も聞かれなくなりました。インターネットの登場により情報のストックは加速度を上げ、それ以前とは比較することが出来ないほどになりました。その気になれば手に入らない情報はないとさえ言われます。
(ちなみに宇宙は138憶年前にビックバンで始まり一気に広がりましたが現在も速度を上げて広がり続けています。)

現代日本においては『飢え』は遠い過去の記憶となりました。そして技術の進歩は様々な分野に及び、人間はどんどん動かなくてもよくなったのです。それどころかAIの誕生により考えることすらコンピューターが行ってくれます。現実と空想と仮想の境目は薄れてきています。

話を戻しましょう。

産業革命とIT革命により人々の生活は一変しました。

世の中はどんどん便利になり、お腹一杯食べたければ食べ、もっと美味しいものを求めました。

結果、それまではごく一部の権力者を除きほとんど存在しなかった『生活習慣病』が台頭してきます。

過剰に取り入れたエネルギーは行き場を失い、活動が減った身体の循環は滞りました。

一つ言えることは、我々人間の頭と体は文明が起こる以前の1万年前とさほど変わっていない事です。

気の遠くなるような長い年月をかけて進化させた体に、ショートケーキとロボット掃除機は常に崖っぷちの生活をしていた人々に対して、勢い余って宇宙まで飛んでいきそうなくらいの反作用を与えたのです。

昔が良かったわけではありません。

技術の発展が不幸の原点である『飢え』を解決し、医療が多くの悲しみを取り除いてくれました。

プラス面とマイナス面を比較すれば明らかにプラスが勝つはずです。

しかし、物量は必要十分に満たしているにもかかわらず人々に埋め込まれた遺伝子はもっともっとと要求するのです。食物に関しては『エネルギーを貯めこむ能力』がもはや必要なくなったにもかかわらず。
現代における肥満の原因はつまりこれでしょう。

しかし我々人類の躍進はまだまだ止まりません。

遺伝子組み換え技術が発展し人の身体を自由自在に操ることはそれほど先の話ではないと言われます。

一方で栄養学も同様に進化しています。身体に悪影響を与える添加物や素材を改善する技術は進んでいます。

つまり人間の理性はAIがコントロールし、都合の悪い食材は排除し、それでも身体に不都合がある場合は遺伝子を操作するという流れなのかもしれません。

今回は生活習慣病の入口である『肥満』を人類の歴史から考察してみました!

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フラッシュパパ
フィトネス業界に20年以上関わっています。長年本気で取り組み培ってきたノウハウには自信があります。一般的なトレーニング論やフィットネスクラブについて初心者向けに発信します。フィットネスというジャンル的にはお手軽なものが好まれる傾向にありますが当サイトでは事の本質を深堀していくことをモットーとしています。長く取り組みたい人は参考にしてみてください。きっと役に立つはずです。健康運動指導士。